2013年9月12日木曜日

【バロックジャパンの中国戦略】


2013/8/14付 繊研新聞 1面
「アジアのリーディングカンパニー目指す」より

概略:
2010年秋中国進出開始
日本資本では政治的リスクが高く、現地資本を入れないと事業が進まないと判断。
香港上表の大手婦人靴小売りチェーン 百麗国際(ベルインターナショナル)がバロックジャパンリミテッドの株式31.96%を保有。
CDHランウェイインベストメント(ファンド)の23%と合わせて、
資本の過半数を中国系とすることで中国展開にアクセル。


現状:
出店数58 2013年8月時点 22
出店エリア 上海 北京など
標準売り場面積 不明

北京ジョイシティ店は月商3000万円を記録。
一通りの検証が完了したと判断。大量出店に踏み切る。

●ZARAの様なドミナント戦略実現のために
コスト構造(原材料調達、生産、物流)
純利益率13% ベルのコスト構造を取り込む

●大量出店のためのインフラ が不足
当初年間100店のペースで出店し、3年後加速
将来数千店舗まで拡大

●市場に合ったリアルクローズのブランドを共同開発
「アズール・バイ・マウジーの中国版」の開発を想定

転載終了
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私見:
ポイントは「相互補完」。

中国でのインフラが乏しい日本企業が
中国国内にインフラを持つ企業と組むことで相互補完を目指す。

自社の得手不得手を理解し、相手の得手不得手も理解する。
100戦危うからず・・・古くからの教えですね。

さて、
デザインの現場にも、同じことが言えそうです。
 相互補完なんだと思います。
 正確に言うと、経営層と商品企画部の間には大きくて高い壁があり、
 薄皮1枚で繋がっている・・・という現実が中国には(にも)あるようです。

 日本と決定的に違うのは、中国にはプロのデザイナーが少ないということ、そして
彼等 彼女等は企業に定着しないということ。
その現実に対して、経営層の危機意識が非常に高い。
 中国には専門性を持つ人的資源が希少であるという問題意識があります。
いっぽう日本では「君らの代わりはいくらでもおる」という意識が強いのではないでしょうか。

 実際はどうでしょう。
 今後世界で戦うためには、強い発信、メッセージでもって人々を牽引するパワーが必須だと思います。そのときこそ、言語や文化、商売の壁を乗り越えることのできる、強いプロの力 こそが必要なんだと思っています。


もう一度、
 「相互補完」「自社の得手不得手を理解し、相手の得手不得手も理解する。」と心の中で唱えてみる。
そうすると、自ずと自身のやるべきことが極めて明快に見えてくるんじゃないかって思うんですよね。

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