2013年4月26日金曜日

上海-原宿 比較レポート「ビッグTシャツ

上海と原宿のファッション比較レポートです。
今回のテーマは 「ビッグTシャツ」。


背景:
業界トレンドとしてのビッグシルエットがあり、コレクショントレンドとしての裏付けを得て、今後どのように成長してゆくのか?
ひとつのキーワードとなるのが ”シンプル化”。

2012年5月の原宿ストリートと、2013年4月の上海ストリートを比較してみました。

都市間のトレンドには時差がありギャップを埋めることが私の役目です。


上海の撮影地は、富裕層やファッション層の買い物スポット。
中国進出を考えている日本のアパレルにとっての、想定ターゲットとなるでしょう。
ファッションピラミッドの上層部にあたる人種としてご覧ください。

共通点:
両者のビッグTシャツ・ルックにはいくつかの共通点がありました。
「ホワイト」「マニッシュ」「ショルダーバッグ」「コンサバ系のファッションタイプ」


留意点:
上海のファッションタイプはコンサバエレガンスが主流です。が、特有の強い個性が存在しているようです。
シンプルというよりデコラティブ、コンストラクティブ。
フェミニンというよりはセクシー(語弊がありますが)。
そのようなファッションの基礎の違いを理解したうえで、継続的に分析しなければなりません。
一筋縄では行かなさそうなところがとても面白いと思います。


 
 

2013年4月24日水曜日

上海ストア視察【 Metersbonwe 】


メタスボンウェは上海訪問時に必ず視察する店のひとつ。
中国全土に300店舗ほどあり、深セン証券取引所に上場しています。
視察理由は単純で、中国ブランドの中で数少ない繁盛店であるからです。今は仕事の都合でメンズ中心の視察・目線で定期的に眺めています。




今回の見どころは、
「パステルカラー」の打出しにあります。
中国ファッションにパステルは禁物ですよ!と何度か聞かされていたからですが、
確かに、春の他の店舗を見て回ってもこうまで強くパステルを訴求する店頭は見かけませんでした。
何たってメンズですから、その特異性は際だっています。

リサーチ前後に、店前で入店客をウオッチしました。(これも定番行為)
とにかく幅広い客層の入店が印象的で、
(現地で見ると)ファッション層、マジョリティ層、ラガード層まで、ごった煮の寄せ鍋状態。

 

写真1:カップル。男はファッション層にあたり、女マジョリティ層に該当。ZARAのショップバッグはおしゃれに気を使っているぜの記?
 
 
写真2:マジョリティ層、女)微妙なコーデ。キュロットとシアータイツの組み合わせが日式。男)典型的な大学生ファッション。切り替えシャツとソフトサルエルシルエットのチノ。
 

写真3:1階メインVP。向かって右がレディス、左がメンズ。
 

写真4:2階上りエスカ正面VP.このエリアはいつもフェミカジ。
 
 

 写真5:2m位のパネル



写真6:お客はパネルのような姿で無い場合が多いんですよね
 

写真7:3階メンズへの誘導マネキン。上りエスカ脇。イエローの打出し。
 

写真8:3階メンズ、春も冬同様にロックテーマなんだね。
 
 

写真9:Tシャツの打出し
 
 

写真10:白、黒、イエローでまとめています
 

写真11:4階メンズへの誘導マネキン。上りエスカ脇。パステルグリーンの打出し。
 

写真12:4階メンズ 上りエスカ正面VP、今度はグリーン~ブルーの打出し。
 
 

写真13:シャツとTシャツの重ね着提案、ボトムはスキニーデニム。
 
 

写真14:フロア奥、ロックテーマ。が、3階とは違ってPOPテイストであります。
 
 

写真15:これ、中国メンズで最も旬のトレンドです。スリムフィットのシルエット、切り替えシャツ、クロップドにスニーカー。
 
 

写真17:レジ待ち客がいます。 

 
2013/04/24 記

2013年4月23日火曜日

上海にて

回数で言うと約1.5か月に1度の頻度で上海出張に出ています。
そしてとにかく街や商業施設を歩きまわり、見て回り、考え、分析をしています。
回数と物量で、まずは体でこの地を覚えようとしてきました。

この地に住まう人々の大胆さにも、ほんの少しだけ慣れてきたかなと思っていたところ、そんな気持ちを覆されることがありました。
「ああ、オレまだまだだな」と感じた瞬間の写真でございます。
油断ない感じで歩いていたところ、前方の風景に異変。
何だろう?と思っていましたところ、ガードレールが大胆に破損していました。
交通事故があったようです。が・・・








題名:”ザ・ほったらかし”


 
 
ガラスを踏み飛ばしながら車が通過してゆきます。
歩道を歩く私に向かって、ガラス片が飛んできました。
後ろからは普通にバイクが突進してくるし、前からはガラス片が飛んでくる。
なんてデンジャラスな歩道なんだろう。
 
 

2013年4月12日金曜日

グローバル戦略セミナー

グローバル戦略がなぜ必要なのか?

我々デザイナーもこの事について知らねばなりません。
世界競争の中で生きてゆくための入り口であるからです。
まずは入口をくぐってみること。

我々には”人口の波”から見えてくる未来の社会像があります。
アジア戦略は待った無しの状況にあることは周知の事実。
私は1人の日本人デザイナーとして、
世界経済の波に生きてゆく覚悟をしました。

そして実際その中に居て周囲を見渡してみると、
今まで見えていなかったことが見えてくる。
知っているようで、知らなかったことがあります。
「根底を理解していない”分かった”は、分かったことにならない。」ことが分かりました。
なぜなら、分かっていない=間違ったデータで、
間違ったデータから導き出される結論は100%間違っていると思うからです。


私の強みはブランディングを主軸とし、マーケティングを企画組織に取り入れること。
プロダクトアウトとマーケットインのベストマッチングにあります。

このセミナーに私は参加することはできませんが、
山中先生の第2講座 「現地で「いける」商品はこれだ」
から、以下のメッセージを受け取って頂きたいと考えます。


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・東京・上海・シンガポール3都市ストリート調査報告
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豊富な写真とコメント。2都市間の比較リサーチ・レポートで
具体的な ”差異”があぶり出されています。


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・アジア包括戦略にむけた商品企画のポイント
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分析レポートをもとに、商品企画部門の目指すべき方向性を示唆。



「グローバル戦略セミナー」は、以上の理由から
アジア系プラットフォームビジネス型企業のセミナー内容とは明らかに異なります。
日本の側に立ち、ブランド戦略の頭脳を再構築する試みだと思います。


 

2013年4月11日木曜日

相対と絶対 について


正当化の背景は何処を見れば良いでしょう?
相対と絶対をチェックすれば良い。
そして相対だけで議論される事が多いという現実もおさえておく。

これはデザインの現場でも良くある事で
判断を誤らないためのテクニックのひとつだと思います。

テクニックでありますから、
それぞれチェック項目があります。

巷にはコーチングスキルとして確立し公開されているものが幾つかあります。
普遍的であるとは言え、
各業界の現場にはそれぞれ最適化されたテクニックなりがあるもの。

私の場合まず大雑把に 組織(ヒト)と商品(モノ)に分けてみる。

まず組織(ヒト)。
組織はそのものが人間関係で成り立っている相対的なものであります。
ポイントは、統治の正当性を見つけること。

そして商品(モノ)。
こちらも相対的で、正当性または絶対的な存在が統治のために必要になる。
絶対的存在を、ロイヤルティ とすると、
正当性を、顧客に伝える力、MD力 とする。

どちらに軸足を置くかで、自ずと商品に差が出てくる。

将来の課題として私達が考えなければならないのは、
”絶対的なものは、ますます顧客の側に移る”ということ。
企業・組織の理論から離れた、顧客側の手の中にあると考えます。

だったらどうする・・・
私はポピュリズム的なものでは無く、影響力で判断したい。
影響力は、民衆の価値観の総意でありますから、
総意が形成される構造を見れば良い。

”そこにあるそのもの”
絶対値をトレンドという相対の中から見出す作業がストリートリサーチという行為なのかもしれません。

2013年4月9日火曜日

「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」とが矛盾する場合について論ずる

ブランド運営には2つの軸脚があると思います。
デザインの現場において、しばしば
「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」の矛盾に遭遇することがあります。

「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」は、
「ブランディング優先」と「マーケティング優先」という言い方にも置き換えられる。

ブランディングとは、顧客ニーズを無視し、「あなたにお似合いの商品はこれですよ」と言うこと。
マーケティングとは、顧客ニーズをくみ取り「あなたの欲しかった商品はこれでしょ」と言うこと。

マーケットインは、行き過ぎるとコピーになり、
プロダクトアウトは、いつの間にか置き去りにされる危険を孕む。

どちらも、行き過ぎは良くないという点は共通している。

でも両方大事。
これ結論。
そしてできることなら両立したい。



スティーブジョブス氏の
「シンク ディファレンス」を例に出して語る人、これがまた多い。(もちろん悪いことでは有りませんし、正しいと思います)

”皆が知っているものは皆が欲しがっているものでは無い”
”そのモノ自体では無く使用価値を訴えろ”
”それはライフスタイルを創造することだ”・・・云々。

「そうか、新しい価値を訴えればいいんだね?」

でも、そんな簡単なことじゃない。
第1に手間暇がかかる。
価値を訴えるためには膨大な時間とコストがかかる。

裏返しで、
”価値が有るものと、無いものを見分けるには、手間暇を見れば良い”。
これも普遍的だと思います。

何故か?
新しいデザインを提案するときは、
いままでの価値観をおさらいし、
かつてどのような価値観がそこにあったのか、
そのいきさつを理解したその上で、

「これからはこうだよっ!」

って言えるようにならねばいけない。

なんちゃってでは、誰も信用しないんだ。
だから一つの商品を生み出すのに手間暇がかかるし、
それが今のマーケティングなんだって思います。




単に手間暇をかければ良いというもんじゃない。

自分の中にちゃんと蓄積が必要だ。

そのことを徹底して考え抜いかないと

すっころぶ。

怪我をする。

2013年4月4日木曜日

メンズ・ビッグシルエット考察

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メンズ・ビッグシルエット考察
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[メンズ]トレンドチェック
撮影:原宿 晴れ 11℃
2013年3月06日(水)
★★★★v
流行鮮度:高い

 
(・∀・)ノ゛
ビッグシルエットは2013年のコレクショントレンドとして浮上しました。
バスケットボールショーツ、ビッグシャツ、ビッグパンツ、ビッグジャケット・・・
そして現実のシーズンを迎え、実態はどうか?確認してみます。
少し歴史を振りかえれば、”ビッグシルエット”アイテムを取り入れた着こなしは、
イノベーター、ファッションマニアと受け継がれ、
現在はファッションリーダー層にまで広がっている状況です。
ここまでにかかった時間はおおよそ6年くらい。
流行サイクルに照らしあわせると、
今後3年の期間をかけてマジョリティ層に落ち、さらに3年の時間をかけて消滅するだろうと考えます。
 
 

2013年4月3日水曜日

国民的ファッション「アイビールック」”再到来

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”アイビーは国民的ファッション・スタイル”
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[メンズ]トレンドチェック
撮影:原宿 晴れ 11℃
2013年3月06日(水)
★★★★v
流行鮮度:高い
(・∀・)ノ゛
2013年春の立ち上がり、ジャケットルックが復活していますが、
中でも”ブレザー”に注目します。
これはアイビートレンドを背景にしたもので、
ヤング層(19~24才)からシニア層(55~64才)あたりまで広範囲に確認できます。
「アイビールック」はまさに、日本の国民的ファッション・スタイルであります。

歴史を振り返れば、日本のストリートファッション発祥地は原宿で、
1964年のアイビー・ブーム以降に求めることができます。
当時、10代の若者だった人達が約50年の歳月を経て、
現在シニア層(55~64才)となりました。

その結果として2013年、
若者から年配者にまで支持される”国民的ファッション「アイビールック」”再到来。
という状況になったのだと考えます。



★ ヤングアダルト( 2529)のアイビーファッション

 
 
 






 ・  ・  ・   ・  ・  ・   ・  ・  ・   ・  ・  ・
アダルト(35-44)以上のアイビールック