2013年4月9日火曜日

「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」とが矛盾する場合について論ずる

ブランド運営には2つの軸脚があると思います。
デザインの現場において、しばしば
「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」の矛盾に遭遇することがあります。

「ブランドイメージの優先」と「売れる商品開発の優先」は、
「ブランディング優先」と「マーケティング優先」という言い方にも置き換えられる。

ブランディングとは、顧客ニーズを無視し、「あなたにお似合いの商品はこれですよ」と言うこと。
マーケティングとは、顧客ニーズをくみ取り「あなたの欲しかった商品はこれでしょ」と言うこと。

マーケットインは、行き過ぎるとコピーになり、
プロダクトアウトは、いつの間にか置き去りにされる危険を孕む。

どちらも、行き過ぎは良くないという点は共通している。

でも両方大事。
これ結論。
そしてできることなら両立したい。



スティーブジョブス氏の
「シンク ディファレンス」を例に出して語る人、これがまた多い。(もちろん悪いことでは有りませんし、正しいと思います)

”皆が知っているものは皆が欲しがっているものでは無い”
”そのモノ自体では無く使用価値を訴えろ”
”それはライフスタイルを創造することだ”・・・云々。

「そうか、新しい価値を訴えればいいんだね?」

でも、そんな簡単なことじゃない。
第1に手間暇がかかる。
価値を訴えるためには膨大な時間とコストがかかる。

裏返しで、
”価値が有るものと、無いものを見分けるには、手間暇を見れば良い”。
これも普遍的だと思います。

何故か?
新しいデザインを提案するときは、
いままでの価値観をおさらいし、
かつてどのような価値観がそこにあったのか、
そのいきさつを理解したその上で、

「これからはこうだよっ!」

って言えるようにならねばいけない。

なんちゃってでは、誰も信用しないんだ。
だから一つの商品を生み出すのに手間暇がかかるし、
それが今のマーケティングなんだって思います。




単に手間暇をかければ良いというもんじゃない。

自分の中にちゃんと蓄積が必要だ。

そのことを徹底して考え抜いかないと

すっころぶ。

怪我をする。

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