16年間 毎週実施している原宿のフィールドリサーチを他国でやってみたらどうなるだろう?
出発点はここでした。
2012年2月、上海~香港~東京の3都市間比較リサーチを実施し成熟度を比較しました。
そして2012年12月、2回目となる3都市間比較リサーチを実施しました。(星~上海~東京)
このブログに掲載している情報は、比較分析を行う前のデータであります。
星(シンガポール)のレポートは合計10回で完了し、今回から上海レポートに移ります。
撮影場所:港匯(ガンフイ)広場前 地下通路(地下鉄1号線 徐家匯(シージャーフイ))
撮影日時:2012年12月01日 11:00~13:00 13度 小雨
目的:上海・リアルファッション調査
対象:20代~30代男女、
方法:上海で比較的お洒落な層だと感じた人物をランダムに撮影した。
背景:
●観測地の選定について
上海リサーチは2回目となります。
前回は広く上海を理解する目的で、人民広場、南京西路の2か所で2日間調査しました。
今回は、”上海のファッション層が多く集まる場所”というリクエストで、
上海ファッション事情に詳しい人物のアドバイスを受け「港匯(ガンフイ)広場」に決定しました。
港匯広場は、総面積130,000平方メートルの巨大な商業施設で、250のブランドテナントが入居しています。
撮影ポイントは雨天という理由もあり、地下鉄徐匯駅から続く地下入口としました。
右手にit(スモールアイティ)、右手にZARAがあります。
また今回はメンズのリサーチを追加しました。
●レポートの利用目的
「アジア・グローバルブランド」を使命としたとき、3都市間比較リサーチの内容は、
「業態開発フェーズ」、「運営フェーズ」のおおきく2種類に分かれます。
前回、業態開発フェーズに対応した調査を実施しましたので今回は「運営フェーズ」を意識したレポートとなります。
さて「運営フェーズ」における3都市間リサーチの意味は何でしょう?
期待する成果は、ブランディングとマーケティングの両立です。
ブランドの世界観を保ちつつ、各国に売上を求めるには、情報力が必要です。
相手国・相手地域のマーケットを研究し、相手以上に良く理解する。
それでも、ウチのブランドの方針はこうだよ!と言えることがブランディングにおいて重要なのだと思います。
また継続して複数都市間を比較リサーチすることで、
情報格差を利用したマーケティングが有効になります。
世界にはファッション成熟度というヒエラルキーが存在しています。
この階層差はある商品の価値に対して、「見える人、見えない人」の2種類に分断しているようです。
世界にはその地域独自のローカルトレンドが存在しており、日本のファッション成熟度はアジアの頂点にあります。
「日本に居ては分らないこと」は「上海に居てこそ分かること」となりますし、
「日本に居るからこそ分かる」は「上海に居ては分らないこと」であります。
(これは、良い悪いの話では無く戦略として情報をうまく利用すべきだという意味です)
レポートの適用範囲は、1-商品開発(MD)と2-店頭販売(VMD)です。
1-商品開発(MD)での使用方法は、アイテム分析、カラー分析、、素材分析、デザイン分析など。
2-店頭販売(VMD)での使用方法は、コーディネート、着こなし方が主になります。
総論:
今回の上海出張での手答えに、生活者に近い環境に触れることができた事が挙げられます。
出張と記載した理由は、主目的が調査でなく、中国内販で実績を誇る総合商社のデザイン実務の仕事だったからです。
「上海に居るからこそ、分かること・分らないこと」
「日本に居るからこそ、分かること・分らないこと」
双方について話し、思いを巡らせることができました。
また前回と比較して感覚的に思ったのが、アウタートレンドの変化です。
比較条件としての問題、時期(気温)と観測場所の差 はありそうですが、
複数エリアでの視覚化できない目視情報を含め、向上を確認しました。
とりわけコートルックに前回との差を感じることができました。
前回、原宿を100とすると上海のファッション成熟度は30点でした。
さて今回はどのように進化したのでしょう?
次回は写真を使って個別具体にレポートします。
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